【パナマ運河】拡張工事で新しい運河完成!幅が広い大型クルーズ船も通過可能に!
今回は「運河(うんが)」についてです。
運河とは、人工的に作られた船が通るための水路のことです。
▲パナマ運河 (窓越しに撮影:おがわ りきや)
■ 目次
日本の運河
日本には、道頓堀(大阪府)や高瀬川(京都府)、中川運河(愛知県)、船越運河(愛媛県)など多く存在します。
もしかしたら、あなたが住む地域にもあるかもしれませんね。
世界三大運河
全長190kmのスエズ運河(エジプト)
パナマ運河の構造
パナマ運河は、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の間に位置し、閘門式(こうもんしき)運河と呼ばれ、水を仕切って水位を変える方式です。
簡単に言うと、海と湖の間に3つのゲート付きのプールを作り、水位を次の水位合わせていき、ゲートを開けて船を移動をさせる方法です。
そのため、カリブ海や太平洋から運河を通って、海抜26mのガトゥン湖を通過します。
そんなパナマ運河は、1914年、アメリカが関与して開通しました。
アメリカの支配により管理・運用されていましたが、1999年にパナマに返還されました。
この頃の返還といえば、1997年の香港、同年1999年のマカオなどが連想されますね。
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パナマ運河を航行できる船の幅
話は戻りますが「パナマックス」という言葉を聞いたことはありますか?
パナマ運河はどんな船でも通れるわけではありません。
スエズ運河(エジプト)以上に制限がある運河なのです。
パナマックスとは、パナマ運河を通過できる船のサイズを指します。
全長 294メートル
幅 32.3メートル
喫水 12メートル(水面から船体最下部までの長さ)
撮影:おがわ りきや
つまり、このパナマックスサイズを下回ればパナマ運河を通れますが、サイズを越えると通過する事ができません。
そうなると、太平洋と大西洋の間の行き来は南アメリカ大陸を南下して、大陸南端を大回りして通過しなければなりません。
▲ぱしふぃっく びいなす (撮影:おがわ りきや)
日本の客船はパナマ運河を通れる?
ちなみに、日本を代表する客船「飛鳥Ⅱ」や「ぱしふぃっくびいなす」「にっぽん丸」は、どれもパナマックスサイズ以下なので、パナマ運河を通過できるサイズです。
しかし、横浜や神戸、長崎、函館などに寄港するイギリス船籍「ダイヤモンド・プリンセス」は、サイズを越えるためパナマ運河を通過する事ができないのです。
▲ダイヤモンド プリンセス (撮影:おがわ りきや)
そのため船を設計する時点で、パナマ運河を通るか通らないか、つまりパナマックス
が基準の1つになっています。
現在パナマ運河は、年間に1万4000隻、1日に38隻もの船が通過する計算になります。
そのため、パナマ運河周辺は通過する船が順番待ちのため待機している状況です。
▲ガトゥン湖で待機する船舶 (撮影:おがわ りきや)
実はパナマ運河は拡張工事がされて、ついに2016年6月26日に開通式が開かれます。
この式典に日本から衆議院議員の衛藤 征士郎(えとう せいしろう)さんが派遣されるようです。
新パナマ運河
新しい運河は、今までより大きな船が通れるようになります。
全長 366メートル(現在に比べ、72メートル増)
幅 49メートル(16.7メートル増)
喫水 18.3メートル(6.3メートル増)
「ダイヤモンド・プリンセス」が通れるようになります。
従来のレーンは観音開きで、船の牽引は川崎重工の機関車を使用していました。
新しいレーンはスライド式ゲートで、タグボートが牽引するようです。
新しいレーンで、より大型な船舶がパナマ運河を通過できるようになります。
カリブ海を航行している大型客船の航路が拡大さる可能性がありますね。
もし、パナマ運河を通過するならば現在のパナマックスサイズ以上で、パナマ運河を通過するクルーズ船に乗船してみてください。
新しいパナマ運河のレーンを通ることができます。
このあたりで終わりにしたかったのですが、日本には1つ問題があるようです。
2011年の福島原子力発電所の事故が発端となり、アメリカから天然ガス(LNG)を輸入する計画があるみたいです。
しかし、この天然ガスを運ぶQフレックスと呼ばれる運搬専用船が新しいパナマ運河を通ることができないのです。
(Qフレックスは、全長315メートル、幅50メートル)
パナマ運河側は、徐々に制限幅を広げると述べていますが…
いったいどうなるのか!?
ご購読ありがとうございました。
おがわ りきやでした。
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